なりたいように

馬場 光二郎

器を作る人

灰について

 

 焼物作りにおいて、木灰は釉薬を融かす為に欠かせない原料のひとつ。

 燃料の薪を燃やす登り窯の中で作品に灰が降りかかり土と溶け合って景色になったり、青磁などの釉薬を溶かし色合いに重要な影響を与える。陶芸家は偶然を狙った必然のために日夜研究を重ねる。

 白磁で使う場合は特に精製した灰を用いる。白さを追求するため、狙った色を追い求めるため木の種類でいえば鉄分の少ないイスの木や欅などだ。灰汁を抜き何度もメッシュを通して不純物を取り除く。作りたい焼物にとって1番良い状態の灰を作った。そのための灰をつくるプロがいた。深い山々を持ち、木を選び純粋な灰を作っていた。

 もっと言えば、土壌を選び木の種類、木の部位。季節や樹齢なども関係したのかも。

 

 要するに

「灰を作っていた。」

 

 焼き物用の、釉薬用の

「灰を作っていた。」

 

 ね!?なんか違和感あるでしょ?

 だからそれはもう止めた。

 

 いま文祥窯で使っているのは薪ストーブから出た灰。人を暖め生命を守った炎から出た灰だ。

 自分のところで出る灰だけでは足りないので遠い場所で知らない誰かを暖めた灰。

 

 ここに凄く重要な意味があると思っている。

 

 木の種類や精製度合いなどさして重要ではない。

 炎となり、生命を育んだそのあとは役目を終え、ただ静かに土に還るのを待つ灰。

 それを原料として文祥窯の物作りに使わせて頂く。

 だからなかなか狙った色にはならないし、白ではなくグレーになったらそれもまた受け入れる。

 

 というかそれで良いと思っている。

 その時その時で違った表情の焼き物たち。

 僕と直接お話しした方は聞き覚えがあるかもしれません。

 

 「こんなもんなんです(笑)」

 

 目指すところは人に寄り添い地球に寄り添う工芸。

 なるべく地球に負担をかけない物作り。

 

 

 なるべくね。


 

 工芸について思うこと

 

 

 生活も変わってきているので物作りも当然変わるし、普段の生活で竃があって木を燃やして当たり前のように灰がでて、それを使った物作りだったのが、作る物が変化し純粋さを求めて変化したからそこがまず生活に寄り添った工芸という形から離れていって芸術になっていったのかなって。芸術も良いんだけど、工芸のあるべき姿ってやっぱり生活の延長線上になければ心も離れていっちゃいそうなんです。

なんて思ってます。

 地球について

 僕のやってる事は自然破壊で間違いないんだけど、それでも作った器で100人が喜んでくれれば仕事した価値があったかなって。

 あまり追い求めず出来るものを出来る量作って行ければと思ってます。

 

文祥窯

​佐賀県にて

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