ものをつくるとは​

道田 有妃

LEFTS ​director

まずはいつもより、深く長く呼吸をしてみる。

小さい頃からずっと続けている習慣。そうするとふ、とアイディアが湧き上がる。

ゼロからイチをつくることが自分のなかでの喜び。

継続は二の次である。

ここが課題。そう、ここは課題だとわかっている。

何にせよ決めていること、ダサいかダサくないか。やりたくないこと、だけを決めているという話をしたらある方から指摘された。

やりたくないことを決めていたら目的は達せない。全然ちがうよ、真逆だよ。

やりたいことをちゃんと絞って、そこにたどり着くまでは途中にどんな困難があっても、目的のために立ち向かうんだ。それが一番近道だよ。

目から鱗とはこのことか。

一方で、それでも。とも思う。

頑固者か愚かものか。史実が示す功罪とは、功罪とはなにか。

功罪、それは結果が出せたけれど手柄と過ちが共存(きょうそん)しているさま。

まさに、その方の言われるところではないだろうか。

ああわたしはなれない、

世界を変えることなんてそのためにどちらかが何かが正しいとまずは決めて突き進み、ともかく何かひとつをやり遂げる。

そんなことはやりたくもない。

好きなことをやる。

スーーーっと鼻から息を吸い込んで、ふうーーーーっと口から息を吐く。

目を瞑り、頭蓋骨の内側に酸素を循環させる。

心臓とつながることがある。これが興奮だ。

逆説が過程として介在することが好きだ。

実はこう(“A”)なんだけれども、あえてこれをこう(“B”)することによってできるこ=“AとBのギャップ”、

これこそが自分が携わる意味。ここの距離が遠いほど興奮が高まる。

確信があるほどに、エネルギーが湧いてくる。

 

始まりは単純、カスがたくさん出るんだよねの一言からLefts,は誕生した。

Lefts(=Left over s = のこりもの)。

拾う神あれば捨てる神あり、という言葉通り、だれかにとってカスでも誰かの価値軸のなかでもとても大切なものになるんだよという矜持だ。

生活に植物を取り入れる。都市生活の中で取り入れる。

自然というのは、地球というのはとてもダイナミックでカラフル。伝統的な手法では実現しにくかった、本来的な地球の鮮やかさを科学の力を借りることでこんなにも大胆に再現できることに喜びを感じているんだ。

そこにカスがあるから、私は染める。

そして、それが誰かの生活に入り込み、そのひとの人生の瞬間を少しでも豊かにできたら。

 

​東京にて

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